「あのことは、もう考えないようにしよう」
そう決めたはずなのに、ふとした瞬間に思い出してしまう。
仕事で言われた嫌な一言。
友人との気まずいやり取り。
過去にしてしまった失敗。
思い出したくないのに、何度も頭に浮かんでくる。
そんな経験はありませんか?
そして、こんなふうに考えることもあるかもしれません。
「いつまでも気にしている自分が嫌だ」
「もう終わったことなのに、どうして忘れられないんだろう」
でも、ここで一つ質問です。
嫌なことを考えないようにすることと、気持ちの整理ができていることは、同じでしょうか?
実は、思い出したくないことを無理に頭から追い出そうとすると、かえってその考えが浮かびやすくなる場合があります。
今回は、嫌な出来事が頭から離れない心理と、気持ちを整理するための考え方について紹介します。
3問チェックと3つのワークを通じて、自分自身についても考えてみましょう。
1. あなたはどのタイプ?嫌な記憶との付き合い方3問チェック
次の質問について、最も近いものをA・B・Cから選んでください。
Q1. 嫌な出来事があったとき、どうすることが多いですか?
A:なるべく考えないようにする
B:何度も思い返して原因を考える
C:自分が悪かったのではないかと責める
Q2. その出来事を思い出したときは?
A:別のことを考えて忘れようとする
B:相手の言葉や態度を何度も思い出す
C:自分の失敗や欠点が気になる
Q3. 今、一番減らしたいことは?
A:嫌な気持ちから逃げたくなること
B:同じ出来事を考え続けてしまうこと
C:過去の自分を責め続けること
診断結果
最も多かったアルファベットが、今回のあなたの傾向です。同数の場合はQ3を優先してください。
※自己理解のための簡易チェックであり、医学的・心理学的な診断ではありません。
Aが多かった人|考えないようにするタイプ
嫌な気持ちが生まれると、できるだけ早く忘れようとする傾向があるかもしれません。
例えば、職場で注意されたとき。
「気にしない、気にしない」
と自分に言い聞かせる。
でも、帰宅してからまた思い出してしまう。
そんなときは、無理に忘れようとするのではなく、「今、自分は嫌な気持ちになっているんだな」と気づくことから始めてみましょう。
Bが多かった人|考え続けてしまうタイプ
嫌な出来事について、何度も考えてしまう傾向があるかもしれません。
例えば、友人から冷たい返事が届いたとします。
「何か悪いことを言ったかな」
「嫌われたのかな」
と考え続けてしまう。
でも、考えても答えが出ないことがあります。
今日のヒント:今考えていることが、問題解決につながっているかを確認してみましょう。
Cが多かった人|自分を責めてしまうタイプ
嫌な出来事があると、自分に原因があると考えやすいのかもしれません。
例えば、仕事でミスをしたとき。
「確認が足りなかった」
という反省から、
「自分は何をやってもダメだ」
という自己否定につながってしまう。
でも、行動の失敗と、人間としての価値は同じではありません。
今日のヒント:改善できる行動と、自分自身への評価を分けて考えてみましょう。
2. なぜ、忘れようとすると余計に思い出すのか?
ここで、簡単な実験をしてみましょう。
今から10秒間、白いクマのことを絶対に考えないようにしてください。
白いクマを想像してはいけません。
さて、どうでしょうか?
かえって白いクマが頭に浮かんできた人もいるのではないでしょうか。
心理学では、特定のことを考えないようにする試みが、逆にその考えを意識しやすくする場合があることが研究されています。
これは「思考抑制の逆説的効果」と呼ばれています。
例えば、仕事で失敗したとき。
「絶対に思い出さないようにしよう」
と考える。
しかし、忘れようとするためには、その出来事を意識してしまうことがあります。
その結果、かえって頭から離れなくなる場合があるのです。
ただし、気分転換や一時的に考えるのをやめることが、すべて悪いわけではありません。
つらいときに休んだり、別の活動に集中したりすることも大切です。
問題なのは、嫌な感情が生まれること自体を許せず、無理に消そうとし続けることです。
3. 嫌な感情を受け入れるとは、どういうこと?

「嫌な気持ちを受け入れましょう」
そう言われても、簡単ではありませんよね。
そもそも、受け入れるとは何でしょうか?
例えば、職場で上司から厳しい言葉を言われたとします。
あなたは傷つきました。
そのとき、
「こんなことで傷ついてはいけない」
と考えることもできます。
一方で、
「自分は今、傷ついているんだな」
と認めることもできます。
この二つには違いがあります。
後者は、相手の言動を正しいと認めているわけではありません。
ただ、自分に生まれた感情を否定せず、その存在に気づいているのです。
受け入れることは、相手を許すことでも、出来事を正当化することでもありません。
嫌だったことは、嫌だったままで構いません。
腹が立ったことも、悲しかったことも、無理に消す必要はありません。
そのうえで、これからどうしたいのかを考えていくことができます。
ミニワーク①|今の気持ちに名前をつける
最近、思い出すと嫌な気持ちになる出来事を一つ選んでください。
ただし、強い苦痛を伴う出来事を無理に思い出す必要はありません。日常の小さな出来事で十分です。
質問① 何がありましたか?
例:「同僚から冷たい言い方をされた」
質問② そのとき、どんな感情が生まれましたか?
怒り、悲しみ、不安、悔しさ、寂しさ。
質問③ その感情に、どんな言葉をかけてあげたいですか?
例えば、
「嫌な気持ちになったんだね」
「悔しかったんだね」
と、自分の気持ちを認めてみましょう。
無理に前向きになる必要はありません。
4. 考えることと、考え続けることは違う
嫌な出来事について考えることは、必ずしも悪いことではありません。
失敗の原因を振り返る。
次に同じことが起きないように対策する。
相手との関係を見直す。
こうしたことは、問題解決につながります。
でも、こんな場合はどうでしょうか。
「どうしてあんなことを言われたんだろう」
「自分が悪かったのかな」
「やっぱり納得できない」
同じことを何度も考えているのに、新しい答えが見つからない。
心理学では、否定的な出来事や感情について繰り返し考え続けることを「反すう」と呼ぶことがあります。
反すうは、不安や落ち込みが長引くことと関連する場合があります。
ここで重要なのは、考える時間の長さではなく、考えることで何が得られているかです。
問題解決につながっているなら、考えることには意味があります。
一方で、同じところを繰り返しているだけなら、一度考えることから離れてみるのも一つの方法です。
ミニワーク②|その考えは、役に立っていますか?
今、何度も考えてしまうことを一つ思い浮かべてください。
質問① そのことを考えて、新しい答えは見つかりましたか?
質問② 今の自分にできることはありますか?
質問③ 今すぐできることがないなら、いつ考え直しますか?
例えば、
「明日、上司に確認してみよう」
と決めたなら、今夜は休むことを選んでもいいのです。
考えることを完全にやめる必要はありません。
ただ、考える時間を自分で区切ることもできます。
5. 過去を変えることはできない。でも、今の選択は変えられる
例えば、過去に友人とけんかをしたとします。
その後、何年も連絡を取っていない。
「あのとき、あんなことを言わなければよかった」
そう思うことがあるかもしれません。
でも、過去の出来事そのものを変えることはできません。
一方で、今の自分にできることはあるかもしれません。
連絡してみる。
自分の気持ちを整理する。
今後の人間関係で同じことを繰り返さないようにする。
あるいは、無理に関係を戻さず、今の生活を大切にする。
どの選択がよいかは、状況によって違います。
ここで大切なのは、過去を無理に肯定することではありません。
過去に起きたことと、これから自分がどう生きるかを分けて考えることです。
嫌な記憶が残っていても、自分が大切にしたい方向へ行動することはできます。
6. ミニワーク③|過去ではなく、これからに目を向ける

最後のワークです。
最近の小さな失敗や、気になっている出来事を一つ思い浮かべてください。
質問① その出来事から、何か学べることはありますか?
例えば、「次からは確認を一つ増やそう」などです。
質問② もう変えられないことは何ですか?
相手が過去に言った言葉。
自分がすでにしてしまった行動。
終わってしまった出来事。
質問③ これから自分が選べることは何ですか?
謝る。
相談する。
距離を取る。
次の行動を変える。
あるいは、今日は休む。
どんな小さなことでも構いません。
ここで大切なのは、嫌な記憶を消すことではありません。
その記憶に、これからの人生のすべてを決めさせないことです。
7. まとめ|忘れることより、向き合い方を変えてみる
今回は、嫌な記憶が何度も浮かぶ理由と、気持ちを整理する方法について紹介しました。
大切なのは、次の3つです。
① 嫌な感情を無理に消そうとしない
感情が生まれたことを、まず認めてみる。
② 考えることが問題解決につながっているか確認する
同じことを繰り返し考えているなら、一度距離を取ってみる。
③ 過去と、これからの行動を分けて考える
変えられないことだけでなく、今できることにも目を向ける。
もちろん、すべての嫌な記憶が簡単に整理できるわけではありません。
強い苦痛が続く場合や、生活に大きな影響が出ている場合は、専門家に相談することも大切です。
最後に、一つ質問です。
あなたが本当に望んでいるのは、過去を忘れることでしょうか?
それとも、
過去を思い出しても、今の自分の人生を大切にできることでしょうか?
その答えを、少しだけ考えてみてください。
8. 悩む時間を減らしたい方へ|CHANGE6無料講座
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
今回の記事では、嫌な記憶との付き合い方について考えてきました。
でも、実際の生活では、頭で理解していても、なかなか気持ちを整理できないことがあります。
「嫌なことを何度も思い出してしまう」
「人の言葉が気になって仕方がない」
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最後に|嫌な記憶があっても、人生は続いていく
私たちは、過去に起きたすべての出来事を、自分の思いどおりに変えることはできません。
嫌な記憶が残ることもあります。
思い出すと、悲しくなることもあります。
それでも、今の自分がどう生きるかについては、選べる部分があります。
無理に忘れなくてもいい。
無理に許さなくてもいい。
無理に前向きにならなくてもいい。
ただ、今の自分が何を大切にしたいのかを、少しずつ考えてみる。
過去に何があったかだけで、これからの人生がすべて決まるわけではありません。
今日という一日を、自分にとって大切な時間にしていきたいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。




